オペラ解説:プッチーニ「マノン・レスコー」②内容、あらすじ

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オペラ「マノン・レスコー」ストーリー - テノール歌手:髙梨英次郎のトークです | stand.fm
プッチーニ作曲オペラ「マノン・レスコー」のあらすじ、ストーリーを解説いたします! 世界的名作文学をイタリア的情熱に溢れた解釈でオペラ化した、プッチーニの出世作♫ どうぞお楽しみください! 0.00〜 概要 1.10〜 第1幕 9.51〜 第...

こんにちは!テノール歌手の髙梨英次郎です。
本日もオペラを解説して参ります。
オペラって面白いですよ!

今回は、プッチーニ作曲オペラ「マノン・レスコー」のあらすじ、ストーリーについてお話しいたします。

プッチーニ最初の大出世作。どうぞ最後までお楽しみください。

それでは、参ります。


「マノン・レスコー」

全4幕

登場人物

マノン・レスコー:美しく奔放な女性。修道院に入れられようとしていた
デ・グリュー:騎士の身分で、学生。マノンの魅力にとりつかれてゆく
レスコー:マノンの兄。軍人。
ジェロンテ:お金持ちで、政府の役人。
エドモンド:デ・グリューの友人
その他


<第1幕>

軽快な前奏と共に、すぐにオペラが始まります。

フランス北部の街アミアンにある広場で。
この広場には宿屋があります。

夕暮れ時、人々が広場に集まってガヤガヤとしています。
学生のエドモンドが登場し、若さと青春、そして楽しい夜がこれから始まる、ということについて歌います♫。
人々もエドモンドの歌を繰り返して歌います。
若くて陽気なエドモンドは、街の人々から好かれているようです。

そこへ、やはり学生で貴族(に準ずる騎士)の家柄出身のデ・グリューが現れます。
陽気なエドモンドと違ってデ・グリューは物静かです。
エドモンドや仲間たちがデ・グリューを冷やかすのですが、デ・グリューはみんなと挨拶するだけで、その後はあまり輪に加わろうとはしません。
「おい、どうしたんだよ、誰か美しいご婦人への愛に苦しんでるのか、デ・グリュー?」
「愛だって?そんな悲劇、いや喜劇か?そんなものよく分からないよ!」

Image of Des Grieux

なおも冷やかす仲間たちに対してデ・グリューは
「あなたたちの中に、美しい方が隠れていらっしゃるのかな?
 誰か僕のことを待っているのかな?」
 (そんな人いないでしょ?)というような短いソロ (Tra voi belle~) を歌います。♫

デ・グリューの歌に皆は盛り上がり、夕暮れ時に乾杯!
となったところへ、近郊の町アラスからの馬車が到着します。
そこから降りてきた美しい女性に、広場にいた男性たちは見とれます。
デ・グリューも、つい先ほど愛に対して皮肉な態度を取っていたにも関わらず、すぐにその女性に釘付けとなります。
その女性はマノン・レスコー。
マノンと一緒にいるのは兄で後見人、軍人でもあるレスコー。
レスコーが宿に宿泊するため手続きをする間、マノンは入り口で待たされます。

Image of Manon

マノンを見つめていたデ・グリューはとうとうこらえ切れず、マノンに声を掛けます。
「美しいお嬢さん、お名前を聞いてもよろしいですか?」
「マノン・レスコーと申します」
「こんなことを申し上げるのをお許しください、私はあなたの魅力に心を奪われてしまいました。。
 いつここを出発するのですか?」
「明日の夜明けには。修道院に入ることになっていますので…。」

昔のヨーロッパにおいて若い女性が修道院に入るということは、そのまま結婚もせずにそこで一生を終えることを意味しています。
マノンは彼女の父親の意志で、修道院に入ることを義務付けられているようです。

「そんな!あなたほど美しい人が修道院だなんて!」

デ・グリューは何か対策を考えることを約束し、自分の名前をマノンに告げます。
兄レスコーに呼ばれたマノンは、暗くなってきたら宿の入り口でデ・グリューと会うことを約束して、急いで宿の中へ入っていきます。
ここまで小さな二重唱でした。♫

そしてデ・グリューはひとり、マノンの美しさをたたえてアリアを歌います。♫
歌い出し ”Donna non vidi mai こんな女性、見たことがない” のタイトルで知られる、プッチーニのテノールアリアの名曲に数えられるアリアです。

その様子を見ていたエドモンドや仲間たちはデ・グリューをからかいます。
デ・グリューは怒って、その場を離れます。

その間、宿屋から兄レスコーと、馬車に乗り合わせていた政府の役人ジェロンテが出てきて会話を始めます。
ジェロンテは財務を取り仕切る役人で、たいてい好色なおじさんとして描かれます。馬車に乗り合わせたマノンに一目惚れした様子。
兄レスコーから妹のことを聞き出しています。
「今晩夕食でも一緒にどうだね?」
「ぜひとも!」
「ああ、ちょっと待ってくれ、宿の主人に用事があるのでな」

兄レスコーは宿に戻ろうとしますが、広場の一角で学生たちが行っているカードのギャンブルに惹かれて、参加します。
兄レスコーの目を盗みつつ、ジェロンテは宿の主人へ1時間後に馬車を呼ぶよう命じます。
「くれぐれも内密にな!」
ジェロンテは主人にしっかりことづけ、つまりお金を渡して、言い含めます。
ジェロンテはどうやら、兄レスコーの目を盗んでマノンを連れ去ってしまおうと考えているようです。

その様子をこっそり見て聞いていたエドモンド。
広場に戻ってきたデ・グリューに、エドモンドはジェロンテの計画を話し、マノンが連れ去られようとしていることを告げます。

デ・グリューとの友情に熱いエドモンドは、協力することを告げると、兄レスコーと賭けをしているエドモンドの仲間たちに耳打ちして、その場を去ります。
エドモンドはデ・グリューとマノンがここから脱出する準備をするようです。
仲間たちはレスコーに酒を飲ませ始めます。

やがて宿の入り口に現れたマノン。
ここからまたマノンとデ・グリューの二重唱となります。

デ・グリューはマノンに、ジェロンテの計画を話し、二人でここから逃げ出そう!と促します。
そこへエドモンドが駆け込んできて、「馬車が来たぞ!」と告げます。

Image of Geronte

戸惑うマノンですが、とうとうデ・グリューと逃げることを決意。
ギャンブルに夢中になって、しかも酒を飲まされて酔っ払っている兄レスコーに見つからぬよう、デ・グリューとマノンは脱出していきます。

何も知らず宿から出てきたジェロンテはエドモンドから、
「もう既に、マノンは学生とここから立ち去りましたよ!」と聞かされ、ジェロンテはびっくり仰天。
「追いかけるぞ!」と兄レスコーへまくし立てますが、レスコーは落ち着いています。
兄レスコーは、妹マノンの性格を知り抜いています。
「どうせパリへ行ったのでしょう。学生と一緒だというなら、じきに妹は貧乏に耐えられなくなります。そうなったら、あなたがあいつを保護してやってください。」

レスコーはそのようにジェロンテを説得し、ジェロンテに取り入ることで自分が出世できるかもしれないと期待しているようです。

Image of Lescaut

エドモンドや学生たちは、先ほどデ・グリューが最初に歌ったソロのメロディー (Tra voi belle) を繰り返しながらジェロンテたちをからかい、レスコーに追いかけられます。

大騒ぎのまま、ここで第1幕が終了します。


<第2幕>

パリにあるジェロンテの邸宅の部屋

第1幕からかなり話が飛びます。
原作ではマノンとデ・グリューが、貧しいながらも幸せな同棲生活を送り、やがてはマノンが貧しさに耐え切れなくなりデ・グリューのもとを去る、という場面がしっかり描かれています。
マスネのオペラ「マノン」でも描かれたこのシーンを、プッチーニや台本作家たちはバッサリカットしました。
当時の観客は、有名な小説である「マノン・レスコー」のあらすじは大体ご存知であったと思われるので、ある程度カットしても問題ないと判断されたのでしょう。

このオペラ「マノン・レスコー」第2幕では、マノンは今やデ・グリューのもとを去り、金持ちおじさんジェロンテの愛人となっています。
美容師やお手伝いたちがマノンのヘア・メイクに追われています。
そこに兄レスコーが入ってきます。
「すっかり見違えたな。俺には分かっていたよ。
 デ・グリューは好青年だが金がない。
 今は良い暮らしが出来て良かったじゃないか」

豪華なドレスに着替えたマノン。
しかしマノンは、デ・グリューの消息を知りたがっています。
心にはまだデ・グリューとの甘い思い出が強く残っているようです。
マノンがそんな想いを歌う美しいアリアとなります。♫ (In quelle trine morbide)

そんなマノンに、兄レスコーはデ・グリューの様子を聞かせてやります。
レスコーはデ・グリューと友人関係になっているようです。
そしてデ・グリューにギャンブルでいかに勝つか、要はイカサマのやり方を教えてやったとレスコーは言います。
ギャンブルに勝つことで、デ・グリューはマノンとの暮らしに必要なお金を用意しようというわけです。

そこに、何人かの音楽家が入ってきて準備を開始します。
彼らはジェロンテが雇った音楽家たちです。
ジェロンテは自らマドリガルという古いジャンルの歌を作曲したので、そちらがメゾソプラノの独唱と数名の合唱で歌われます。♫
それを聴くマノンは退屈そう。

そんなマノンの様子を見た兄レスコーは、贅沢にも飽きてきている妹のことが少し心配になり、
「デ・グリューのところに行くか。」
と言い残しそっと退場。

そこへ金持ちおじさんジェロンテがダンスの教師や屋敷への来客たちを連れてやって来ます。
これからダンスの公開レッスンが始まろうというようです。
ここでは、昔っぽい18世紀までの貴族が好んでいたようなメヌエット音楽(舞踊音楽)が流れます。♫

真面目にレッスンを受けないマノンにダンス教師は苛立ちますが、スポンサーであるジェロンテや周りの来客たちは
「素晴らしい!!お美しい!!」と、マノンを褒めちぎります。
着飾ったヒロイン、マノンの魅力が引き出されるシーンです。

やがてジェロンテや他の人々は退出していきます。
人々に褒められていい気分になっていたマノンですが、退屈な暮らしには飽き飽きしている様子。

するとそこへ、誰かが来る物音。
誰かと思えば、それはデ・グリュー!
マノンは驚きつつも再会を喜びますが、デ・グリューは暗い表情でいます。
自分のもとを去ったマノンに対して、デ・グリューは彼女を非難するような眼差しを向けます。
「もう私のことを愛してないの??」
「よしてくれ!僕がどれだけ苦しかったことか!」
しかしマノンが弁明し、彼女の眼差しやマノンの姿に触れるうちにだんだんとデ・グリューの心は再びマノンの魅力に取りつかれてしまいます。
とうとうデ・グリューは折れて、二人は激しく抱き合います。
「僕はもう逆らえない!!愛してる!!」
「ああ、愛してるわ!!」
熱烈な愛の二重唱となっています。♫

そこへ、金持ちおじさんジェロンテが戻ってきます。
ジェロンテはこのような状況に怒りつつも取り乱すことはなく、若い男とイチャついているマノンへ皮肉めいた言葉をぶつけます。
「おやおやお嬢さん、こりゃタイミングが悪い時に来てしまったな。
 君(デ・グリュー)も、わしの家ということをわかっているのかな?」
マノンは、デ・グリューとの愛で浮かれているのか、ジェロンテをバカにします。
「あら鏡でご自分をご覧になったら?私の愛なんて、あなたが得られるわけないじゃないの!」

ジェロンテはさすがに憤慨して、部屋を出て行ってしまいます。

怒って出て行ったジェロンテが何をするかわかりません。
デ・グリューは
「ここから一刻も早く出て行こう!」
とマノンを促すのですが、豪華な生活に慣れ切っていたマノンは、急にこの贅沢な暮らしを捨てることが惜しくなってきます。
そんなマノンの様子にデ・グリューは憤慨して、
「君はいつもそうやって僕を裏切るんだ!
 君の魅力に取りつかれた僕は、身を持ち崩して汚れていく。
 君は僕をどうしようというんだ!!」
と、怒りと嘆きのアリアを歌い♫、その心情をマノンにぶつけます。
さすがのマノンも、デ・グリューの真摯な感情に打たれ、しおらしく自分の過ちを反省します。

そこへ、兄レスコーが息せき切って駆け込んできます。
「どうしたの?」「どうしたんだ!?」
レスコーが息を整えて話すところによると、老人ジェロンテがマノンを警察に訴えたとのこと。
もうすぐここに衛兵たちがやって来て、マノンを ”風紀を乱す淫らな売春婦として” 捕まえようとしていると言うのです。
(この時代、そういった女性たちは国外追放などの憂き目にあっていました)
早く逃げなくては!!
ところが、そんな段になってもマノンは宝石の類を手放すことを惜しんで、それらを持って行こうとグズグズしています。

案の定、すぐに家は取り囲まれてしまい、部屋にジェロンテを始め衛兵たちがなだれ込んできます。
マノンは狼狽して、宝石類を包んでいた布を落としてしまい、床に宝石が散らばっていきます。
衛兵たちはマノンを連れて行ってしまいます。
高笑いを上げるジェロンテ。
剣を抜いてマノンを助けたいデ・グリューですが、兄レスコーに止められます。
「君まで捕まったら、誰がマノンを後で助けるんだ!?」

デ・グリューの悲痛な叫びと激しい音楽で、第2幕が終わります。


ここでオーケストラによって間奏曲が演奏されます。
楽譜には、原作の小説からデ・グリューの台詞が引用されて書かれています。

要約するとこのようになります。
「僕はあまりにも彼女を愛していた。お役所にも彼女を解放することを嘆願したが駄目だった。
 残された道はただ一つ。彼女のもとに行くことだけだ!
 世界のどこであろうと!…」


間奏曲の内容は第2幕の愛の二重唱の旋律が展開されつつ、デ・グリューの状況や心情を説明するかのようなものになっています。


<第3幕>

フランス北西部の町、ル・アーブルの港近くの広場。夜のこと。

第2幕終わりで警察に捕まったマノンは、当時フランスの植民地であったアメリカのルイジアナに売り飛ばされることになってしまいました。
護送船に乗り込まされる前、ここでマノンは鉄格子の中で捕らわれています。

鉄格子の外に、デ・グリューと兄レスコーが現れます。
兄レスコーはここの護衛の1人を買収してあり、マノンとデ・グリューが会えるようにしてくれているようです。

やがて護衛が交代して、奥からマノンを連れてきます。彼女のもとに駆け寄るデ・グリュー。
鉄格子をはさんでの再会です。
「マノン!」「デ・グリュー!」
兄レスコーはその場からいったん離れて、マノンを助け出す準備をしに行きます。

そこへランプの点灯係が通りかかり、小唄を歌います。♫
歌の内容は物語の大筋とは関係ないのですが、もの悲しい雰囲気を漂わせた音楽です。
点灯係はランプを取り去って、空には朝日が昇ろうとしています。
朝になったらマノンをアメリカに送る船が出てしまう…。
デ・グリューはマノンに、彼女を助け出す準備をしていることを告げます。
希望を抱きつつ、マノンは留置場の奥へと戻っていきます。

しかし突然、奥から銃声と共にけたたましい叫び声!
「襲撃だ!」「武器を取れ!」
兄レスコーが走り込んできて、デ・グリューに告げます。
「作戦は失敗だ!!」
マノンを助けるために兄レスコーは仲間たちと共に留置場を襲撃しようと企てたのですが、うまくいきませんでした。
デ・グリューはそれを聞いて絶望して、その場で剣を抜こうとしますが、再び留置場の奥から顔を出したマノンに「やめて!!」と止められます。
兄レスコーはデ・グリューを奥へと引っ張っていきます。

騒ぎを聞きつけて、ル・アーブルの町の人々が集まってきます。
そこへ太鼓の音が鳴り響き、軍曹が兵士を引き連れて、そこに鎖につながれた女性たちが引っ張られてきます。
皆、アメリカ送りとなってしまう女性たちです。その中にはマノンの姿も。

軍曹が女性を一人ずつ名前を呼んで、それに対して合唱が反応していく点呼の場面となります。

ここからイタリアオペラに不可欠な、大勢が同時に歌うコンチェルタートとなって、悲しくも壮大な音楽となっていきます。
兄レスコーは群衆たちに、マノンの不運な境遇を訴えかけます。
一方、デ・グリューはマノンの近くにそっと行き、デ・グリューに気づいたマノンと、デ・グリューで共に悲しみの感情を歌います。
彼らの周りでは女性たちの点呼が続いています。

点呼が終わり、いよいよ船に乗り込むため、軍曹が女性たちを整列させて進みだします。
マノンがデ・グリューから引き離されようというその時、デ・グリューは剣を抜いて抵抗します!
「マノンに近づくな!!」
しかし、周りを銃で取り囲まれたデ・グリューは、すぐに抵抗をやめます。
デ・グリューは涙ながらに、護送船の船長へ訴えかけます。

「僕はおかしくなってしまったのです。どうか、どうか!僕を船に乗せてください!!
 水夫でも、どんな汚い仕事もします!
 僕の命を捧げます!どうか、ご慈悲を!!」

その様子に心打たれた船長は、デ・グリューが船に乗ることを許可します。
デ・グリューによる短くも感動的なアリアです。♫ (Ah, non m’avvicinate !!)
デ・グリューは、ある程度約束された未来を捨てて、マノンと共に未開の地アメリカへ旅立つことになります。
船長の許可が出た瞬間、オーケストラが感情を爆発させるような音楽を奏で、第3幕が終了します。


<第4幕>

アメリカに渡ったマノンとデ・グリュー。
ここでの生活は原作に描かれていますが、オペラでは大幅にカットされます。

詳しくは原作をお読みいただきたいのですが、大まかに申し上げると、
マノンとデ・グリューはアメリカの地で貧しいながらも慎ましく暮らしていたのですが、ある男がマノンを見初めてデ・グリューと決闘沙汰になり、デ・グリューは相手を殺してしまいます。
捕まる前に、マノンとデ・グリューはその地から逃げ出したのでした。

そしてオペラの舞台はアメリカ南東部ニューオリンズのはずれにある広大な荒れ地。
絶望的な状況を表したような音楽で始まります。
逃避行のさなかにあるマノンとデ・グリューは疲れ切っていて、マノンに至っては衰弱しきった様子です。

この最終幕にはマノンとデ・グリューしか登場しません。
冒頭から順番にソロを歌い合うような二重唱が続きます。

そして水を探しにデ・グリューがいったんその場を離れると、マノンは
「Sola, perduta, abbandonata ひとり、さまよい、見捨てられて」と、アリアを歌います。♫
プッチーニによるソプラノのアリアの中でも屈指のドラマティックさをもつ名曲です。

結局、水も何も見つけられないままデ・グリューが戻ってきます。

マノンはデ・グリューの腕に抱かれ、最後の二重唱がしばらく歌われ、やがてマノンは静かに息を引き取っていきます。

同時に第4幕冒頭の絶望的な音楽が繰り返され、それが静かに消えていき、

オペラ「マノン・レスコー」の幕が下ります。


いかがでしたでしょうか?

衰弱しているとは思えないほどドラマティックに歌うマノンですが、そこはオペラのお約束。
プッチーニがつけた音楽に身を任せて、存分に浸っていただきたいところです。
ヒロインが最後にその生を終えてオペラが幕を閉じる。
その後に続くプッチーニの名作オペラ「ラ・ボエーム」、「トスカ」、「蝶々夫人」に通ずる”型”が、この「マノン・レスコー」で完成されました。

予備知識があれば、より一層楽しめますが、色彩豊かなプッチーニの音楽は聴くだけで飽きの来ないものとなっています。
原作やマスネの作品とはまた違った、イタリア人プッチーニが解釈した情熱的な「マノン・レスコー」。
どうぞ多くの皆様にお聴きいただき、公演をご覧いただけますように。


ありがとうございました。
髙梨英次郎でした。

<参考文献>(敬称略)

「ジャコモ・プッチーニ」ジュリアン・バッデン (大平光雄・訳)

「プッチーニ 作曲家・人と作品シリーズ」南條年章  

スタンダード・オペラ鑑賞ブック [1] 「マノン・レスコー」 南條年章

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