オペラ全曲ざっくり解説の文字起こしです。
聴きながら読むと分かりやすい! 音声はこちら↓

こんにちは!テノール歌手の髙梨英次郎です。
本日もオペラをざっくり解説して参ります。
オペラって面白いですよ!
今回は、前回に続いて、ヴェルディ作曲オペラ「仮面舞踏会 Un Ballo in Maschera」の内容とストーリーに移って参ります。
設定と名前は、初演時のボストン版に即して解説して参ります。

「仮面舞踏会」
全3幕
ときは17世紀、アメリカのボストン。
登場人物
リッカルド:ボストンの総督で、伯爵
レナート:リッカルドの忠実な部下であり、友
アメ―リア:レナートの妻
オスカル:リッカルドに仕える小姓
ウルリカ:占い師の女
サムエル、トム:リッカルドを恨み、復讐を企てる2人
その他です。
オペラは短めの前奏曲で始まります。
本編に出てくるメロディが演奏されます。
①リッカルドを称えるメロディ
②リッカルドを恨む人々のメロディ
その後、③愛のメロディが流れ、主人公リッカルドの愛がこのオペラの主題であることが示されます。
<第1幕>
・第1場
総督官邸、邸宅の広間
ある朝、貴族や軍人たち、議員たちがリッカルドを待って歌っています。
前奏曲の初めと同じく、リッカルドを称える旋律が歌われます。
それに絡み合うのは、リッカルドを恨むサムエルとトム、その仲間たちが歌う、恨みの旋律。
彼らはそれぞれに、総督リッカルドへ激しい敵意を抱いています。
サムエルは領地の城を奪われ、トムは弟が死に追いやられていました。
そういった面々が集まって、徒党を組んで、何とかしてリッカルドに恨みを晴らそうとしているのです。
リッカルドが領地を治めていくうえでは、人に恨みを買ってしまうことも色々とあったということですね。
そこへ華々しく、総督リッカルドが登場します。
「やあみんな!愛しの諸君!我々の子供たちが満足できるような、正しい政治を行おうじゃないか!」
と、朝の会議の始まりを告げます。

リッカルドは小姓のオスカルに、近くある仮面舞踏会の招待者リストを見せるよう命じます。
リストにあったアメ―リアという名前を見て、心から喜ぶリッカルド。
そして前奏曲に出てきた、愛のメインテーマを歌います。
しかしそのアメ―リアは、リッカルドの忠実な部下レナートの妻。人妻です。
リッカルドは、あらぬ想い、あってはならぬ想いを抱いている、というわけですね。
ここで面白いのは、周りの部下たちはそんなリッカルドを見て、
「リッカルド様は我々領民のことを常に考えて、今もああやって物思いにふけていらっしゃる」
と感動していますが、当のリッカルドは人妻アメ―リアただ一人のことを思い浮かべているだけ、というある種の誤解が生じているというところです。
一同が退場して1人になったリッカルドは、まだアメ―リアへの思いにふけっていましたが、そこへアメ―リアの夫レナートが入ってきます。
リッカルドは慌てて思いを断ち切ります。
物思いにふけっていたリッカルドを見てレナートも、
「なにか心配事がおありですか」
と言ってきますが、
「いや何でもない」とリッカルド。
「私にはわかります」
「何!?(まさかアメ―リアを好きなことがバレた!?)」
「総督閣下への反乱が起きるかもしれません。そのことですよね?」
「(あー、びっくりした)そんなことは気にしていない!」
そんなリッカルドへレナートは、
「あなたがいなくなったら民衆は途方に暮れてしまいます。」
と、自分が仕えるリッカルドへの想いを歌います。

レナート、すっごくいい人なのです。
そこへ、法律関係を司る(首席)判事がやって来て、ある書状、書類にリッカルドのサインを求めてきます。
ウルリカという女占い師を追放することを求めた書類です。
ウルリカは、ここでは黒人の血を引く女、とされています。
現代において非常にセンシティブな問題ですが、やはり当時のアメリカでは黒人の立場は非常に弱いものであったことは事実です。
ちなみに舞台をスウェーデンに移したバージョンでは、ウルリカはジプシーの女とされます。
ですので、「イル・トロヴァトーレ」(① https://tenore.onesize.jp/archives/103 ② https://tenore.onesize.jp/archives/104 ) におけるアズチェーナの親戚のようなキャラクターですね。
ところが小姓のオスカルは、
「その占い師のもとには色々な身分の人が集まってくるんですよ!」
と、ウルリカの妖しい魅力を弁護する、小さなソロを歌います。
オスカルはリッカルドに小姓として仕える少年で、ソプラノによって演じられます。
こういった少年を女性ソプラノが歌う役をヴェルディが描くのも、初めてのことでした。
話を聞いたリッカルドは好奇心を大いに刺激されて、
「よし、皆を呼べ。今夜、私は変装して、ウルリカのところに行こうと思う。」
と宣言して皆を驚かせます。
そしてこのオペラ屈指の明るい音楽、まるでオッフェンバックの「天国と地獄」に出てくるような、フレンチ・カンカンという陽気なダンス音楽となってこの場面が終わります。
・第2場
ある岩屋、洞窟のような場所で、ここで占い師ウルリカが夜な夜なやってくる人々を占っています。
いかにもといった雰囲気のおどろおどろしい音楽で、ウルリカが魔女のようにアリアを歌います。

そこに早くも、総督リッカルドが岩屋に到着して、物陰から様子を見ることにします。
すると、シルヴァーノという青年がやってきて、ウルリカに占ってくれるよう頼みます。
彼は水兵として15年間リッカルドに仕えていましたが、一向に出世できないことを嘆いています。
ウルリカはシルヴァーノの手相を見て、
「喜べ、もうすぐ褒美と出世がもたらされるだろう」
と占うので、リッカルドは物陰から
「占いが外れないようにしないとな」
と、素早くメモを書いて、いくらかのお金と一緒に、気づかれないようシルヴァーノのポケットに入れます。
スリの逆バージョンですね。
ポケットに手を入れたシルヴァーノはびっくり仰天。
「本当にお金と出世がやってきた!」「ばんざいウルリカ!」
となったところへ、もう一人やってきます、それはなんと、アメ―リアの使者。
アメ―リアがウルリカに占ってもらおうとこの岩屋にやって来ているとのこと!
驚いたリッカルドは、引き続き物陰から様子を見ることにします。
ウルリカが人払いをして一同が去ったあと、アメ―リアが登場します。
アメ―リアは、夫がいるにもかかわらず、自分の心に別の人がいるので、その想いを取り除きたい、と伝えます。
リッカルドは、それが自分のことであると確信し、
「自分と同じようにアメ―リアも私を愛してくれていた!」
と喜びます。
ウルリカはアメ―リアに
「その想いを取り除きたいなら、街のはずれにある、刑場、罪人が処刑される場所にある薬(草)を煎じて飲みなさい。あんたが自分で取りに行かないといけないよ」
と告げます。
恐怖におののきながらも、そこへ行くことを決意するアメ―リア。
物陰から話を聞いて、自分も行くぞと決意するリッカルド。
彼らの三重唱が終わってアメ―リアが去ると、入れ替わりにオスカルをはじめとするリッカルド伯爵の家来たちが一斉に岩屋になだれ込んできます。
リッカルドも姿を現し、漁師に変装していたので、そのまま漁師の親分として、ウルリカに占いを頼むソロを歌います。
するとウルリカは、
「今からあなたと最初に握手をした者により、あなたは殺されるだろう」
と占います。
驚く一同。
そんな中リッカルドは、
「冗談やらバカバカしいやら、笑えてしょうがないぞ」
と、若干戸惑いつつも、リッカルド持ち前の明るさで笑い飛ばします。
そこへ何も知らない忠実な部下レナートがやって来ます。
そして、リッカルドと握手を交わすのでした。
「この占いは外れだな。見ろ、私と握手したのはこのレナートだぞ」
レナートがリッカルドを裏切って殺すなどあり得ない、とみんなも納得します。
…しかし、この占いは、、当たることになってしまうのです。
ウルリカに正体を明かしたリッカルド。
追放処分を取りやめ、寛大にも、彼女にお金をやります。
そこへ、先ほど褒美と出世をもらったシルヴァーノ君が、民衆を大勢連れてやって来ます。
「ここにいるのは、あのお方だ!我らの友人にして父親!みんなで忠誠を誓い、ひざまずこう!」
と、リッカルドを称えて壮大な合唱と音楽が響き渡り、第1幕が終了します。
<第2幕>
ボストン郊外の野原にある罪人の刑場。真夜中です。
アメ―リアがここに1人でやって来ます。

恐怖で身を震わせながらも、リッカルドへの想いを断ち切らなくては、と決意する、大変ドラマティックで素晴らしいアリアを歌います。
そこへ、リッカルドが登場します。
驚くアメ―リア。
「いけません、伯爵様!」
「どうして!あなたをこれほど愛しているのに!?」
「私はあなたが最も信頼する友人の妻なのです!」
「それを言わないでくれ、アメ―リア!」
抑えきれぬリッカルドの想いをぶつけられ、アメ―リアもついに自分の秘めていた想いを吐き出します。
「あなたを愛しています!!」
「アメ―リア!!」
とうとう2人の想いが重なり合ってしまいました。
ヴェルディ史上、屈指の愛の二重唱が歌われる場面です。
ウルリカのアドバイスはリッカルドの登場により、全く役に立たなかった、どころか、かえって愛が深まってしまいましたね。
ウルリカも、この結果を占うことはできなかったようです。
両想いになってしまった二人でしたが、そこに誰かやって来る!あれは…、レナート!!
慌ててアメ―リアはヴェールで顔を隠します。
レナートは
「近くに反逆者たちが潜んでいます!私のマントをつけて、伯爵だけ早くお逃げになってください!」
と、リッカルドの身を案じて駆けつけてきたのでした。
アメ―リアも「お逃げください!」と耳打ちします。
「あなたを置いていくわけにはいかない!」
と、リッカルドはここに残ろうとしますが、アメ―リアは
「お逃げにならないなら、このヴェールを取って顔を出します!」
と言うので、リッカルドは仕方なく、1人逃げることを承知します。
リッカルドはレナートに、
「決してこのご婦人の顔や素性を探ってはならぬ」と言い残します。
緊迫感のある三重唱が歌われます。
アメ―リアとレナート2人になったところへ、サムエルとトムが率いる反逆者たちが怪しく忍び寄ってきます。

リッカルドが女性と一緒に、この場所にいると思った反逆者たちは、そこにいたのがレナートだったので、当てが外れた!と悔しがります。
レナートが1人で剣を抜いて反逆者たちを相手にしようとすると、アメ―リアが止めに入ります!
しかし!
その拍子に顔を覆っていたヴェールが取れてしまいました!
レナートは驚愕!
「アメ―リア!!」
「あいつの奥さんじゃないか!」
反逆者たちは、ここに数分前までリッカルドがいたことは知りません。
ですのでこの状況を見て、
「なんだ、ここには始めから夫婦でいただけか。…ていうか、こんな、野原の処刑場なんていうアブノーマルな場所で、お楽しみだったってわけですか…。はっはっは!!」
と、皮肉めいた笑いの歌を歌います。
しかしレナートは、ふつふつと怒りの感情が煮えたぎっています。
「心を尽くして仕えてきた結果が、これか…!」
妻が、不倫していたのに加えて、反逆者たちには冷やかされ、怒りは何倍にも膨れ上がります。
アメ―リアは絶望しています。
レナートは、サムエルとトムに、
「明日の朝、我が邸宅に来てくれ」と言い残します。
そしてレナートは言います。
「私は誓いました。あなたを町までお送りすると。さあ参りましょうか…。」
と、他人行儀でアメ―リアを促します。…怖いですねー。
何とも言えない気まずい空気の中、第2幕が終わります。
<第3幕>
・第1場
レナートの邸宅、書斎にて。ここにはリッカルドの肖像画が掛かっています。

さあ自宅に戻ってきたレナートは怒りを爆発させます!
「泣いても無駄だ!この剣でお前を殺してやる!!」
アメ―リアは必死で訴えます。
「確かにあの方をいっとき愛しました、でも、不名誉なことには至っていません!神様がご存知です!」
レナートは聞き入れません。
アメ―リアは、「では、、、死ぬ前に一目、たった一人の息子に会わせてください…。」
と、2つ目のアリアを歌います。
アメ―リアが部屋を出て行くと、レナートは壁にかかったリッカルドの肖像画に向かって、
「お前だったとは!この心を汚したのが…!」と、歌い出します。
ヴェルディのバリトン名アリアの一つに数えられる名曲で、後半ではアメ―リアとの美しい思い出が歌われます。
そこへ、反逆者たちのリーダー、サムエルとトムが部屋を訪れてきます。
レナートは、
「俺をお前たちの一味に入れてくれ。」と頼みます。
レナートの裏切りを疑う彼らに
「もし俺がお前たちを裏切ったら、この屋敷にいる一人息子を殺していい。」と告げます。
暗殺の実行を誰がやるか、皆が「自分がやる!」と主張するので、くじ引きで決めることになります。
公平を期すため、そのくじは第三者である、アメ―リアにひかせることになりました。
何も知らず呼び戻されたアメ―リア。
箱から紙をとってそこに書かれている名前を読むと、書かれていた名前は、レナート!
アメ―リアはレナートの邪悪な喜びの感情に気づき、夫がリッカルドの暗殺を実行しようとしていると悟ります。
そこへ、総督リッカルドの使者として、小姓オスカルが仮面舞踏会の招待状を持ってきます。
招待に応じて、暗殺を企むレナート、そしてサムエルとトム。
何とか暗殺を阻止できないかと考えるアメ―リア。
舞踏会が楽しみでウキウキしているオスカル。
感情が入り乱れた五重唱となり、この場面が終わります。
・第2場
総督の邸宅内、リッカルドの書斎で

前奏曲や第1幕で歌われた愛のメロディがここでの前奏として演奏される中、リッカルドが1人自分の机のところに座っています。
彼はアメ―リアへの想いを断ち切るため、彼女を夫レナートと共に、アメ―リアの故郷であるイングランドへ帰国させることを考えています。
もちろん、リッカルドは、まだレナートにアメ―リアとのことがバレてしまったことは知りません。
イングランド赴任の書類に、ためらいながらもサインをしたリッカルドは、アメ―リアへの想いを歌います。
このアリアもテノールのものとして、屈指の名曲です。
舞台の奥から、舞踏会の音楽が聴こえてきます。
すると小姓オスカルが、見知らぬ女性から渡されたというメモを持ってきました。
そこには、
「あなたの命を狙う者共が舞踏会にいます。」
という内容で、恐らくはアメ―リアからのものですが、リッカルドは、舞踏会でもう一度アメ―リアに会うことで頭がいっぱいで、そのような注意喚起のメモは気にしません。
リッカルドの想いが、このオペラのメインテーマである愛のメロディーで短く歌われ、彼が退場すると、舞台裏から聞こえていた舞踏会の音楽が徐々にオーケストラと響き合い、少しずつ少しずつ盛り上がっていき、やがて一つになった!
そこからノンストップで舞踏会の華やかな場面に突入します。
もうここの音楽が、言葉に尽くせぬ興奮を呼び起こします。
実際の劇場では、この音楽に合わせていかに、舞踏会の場面へと舞台を転換させていくか、演出面でこのオペラ一番の見どころとなっています。
さて、この舞踏会はタイトル通り、仮面舞踏会。
出席者はみな、鼻から上が隠れるタイプの、ヴェネツィアのカーニバルなどでお馴染みのマスク、仮面をつけています。

これをつけると、結構、誰が誰だかわからなくなるものです。
舞踏会の人々が盛り上がっている中、レナートとサムエル、トムが落ち合いますが、肝心のリッカルドが見つかりません。
すると、こちらを見て、近づく者がいる。
「あなた仮装が下手ですね、レナートさんでしょ?」
「そういうお前は誰だ?」
レナートが相手の仮面をむしり取ると、それは小姓オスカルでした。
「何だお前か。」
「失礼な!」
「お前、伯爵様をほっといて、舞踏会で仕事をさぼっていていいのか」
「伯爵はこちらにいらっしゃいますよ」
「何!?どこにいる?」
オスカルは、「教えてあげないよー♪」というようなことを陽気に歌います。小さなソロナンバーです。
レナートは「伯爵と大事な話があるんだ!」となかばオスカルを脅かします。
すると「伯爵は胸にピンクのリボンを付けて、黒いマントを着てますよ」
と告げて、舞踏会の中に消えていきます。
さて、舞踏会の別の一角では
伯爵リッカルドが舞踏会の中にいます。オスカルが言っていた通り、胸にピンクのリボンを付けて、黒いマントを着ています。
すると、とある女性に声をかけられます。
「なぜここにいらっしゃるのですか!お命を狙われていると警告したのに!」
「あのメモはあなたが!…いや、仮面をしていてもあなたが誰だかわかる、アメ―リア!」
愛を語り合いたくなるのをグッとこらえて、リッカルドはアメ―リアに告げます。
「あなたはレナートと故郷に戻るのです」
「イングランドに!?」
「これでお別れです、アメ―リア」
「リッカルド!」(伯爵様!ではなく、名前を呼んでしまうあたり、切ないですね)
「さらば!」
しかし2人が別れをお互いに告げたその瞬間!
「俺からもお別れだ!」
と、レナートが後ろからリッカルドに短剣を突き立てます!!
→史実ではピストルでの銃撃で、演出によっては史実通り、銃で撃たれる場合もあります。
舞踏会は一転、大騒ぎに!
なんだ!伯爵がやられた!!誰がやった!?
レナート!!!
死を!裏切者に死を与えよ!!
しかし、瀕死のリッカルドが皆を必死に止めます。
「やめろ、彼を放してやれ…!レナート、私の話を聞いてくれ…。
彼女は汚されてはいない、私は死が迫っていても、神に誓う…。
彼女を愛していた…、だがその純潔は尊重していた…。
レナート、君はより高い地位に昇進したうえで、新たな地に赴任することになっていたのだ…。
君の名誉も、彼女の心も、傷つけるつもりはなかったのだ…」
レナートは自分がしてしまったことの後悔にさいなまれます。
アメ―リアも、自分がリッカルドを愛してしまったがゆえに、彼の命を奪うことになったことで、自分を責めています。
リッカルドは、レナートも、当初から暗殺を企んでいたものも含め、
「私は民衆たちの上に立つ者として、みなを許そう」
と言います。
もはやサムエルやトムでさえも、リッカルドの寛大な慈悲の心に胸を打たれています。
偉大な魂が天に昇っていくかのような、美しく壮大な音楽となっていきます。
一同が悲しむ中、リッカルドは息を引き取ります。
全員が嘆きの叫びをあげて、オペラ全体の幕が下ります。

いかがでしたでしょうか?
個人的な思い入れのある作品ですので(詳しくは前回のブログをご覧ください)、長くなってしまいましたが、素晴らしい愛のドラマだったのではないでしょうか。
実は物語の内容自体は、もととなったフランスの台本作家スクリーブ、作曲家オーベールの作品とほとんど同じです。
ですが、ヴェルディがこの物語につけた音楽はフランスの作品とは段違いにドラマティックかつ優雅で美しいものです。
ヴェルディの全作品の中でも取っつきやすい、オペラになじみのない方にもおススメの一作です。
ぜひ「ヴェルディ 仮面舞踏会」で検索などして、触れてみてください。
ありがとうございました。
髙梨英次郎でした。
参考文献(敬称略)
小畑恒夫「ヴェルディ 人と作品シリーズ」「ヴェルディのプリマ・ドンナたち」
ジュゼッペ・タロッツィ「評伝 ヴェルディ」小畑恒夫・訳
永竹由幸「ヴェルディのオペラ」
髙崎保男「ヴェルディ 全オペラ解説」
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